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融資を受ける際の審査

銀行の外観

さまざまある資金調達法の中でも、「融資」はもっともメジャーな部類に入るでしょう。
融資とは、銀行や、国や自治体の公的機関からお金を借りることです。借入ですので、融資を受けた者には返済義務が生じます。

消費者金融などからお金を借りるのと比べて、融資は金額が大きくなる傾向にあります。
そのため、金融機関側も相手がしっかり返してくれるのかを慎重に見極める必要に迫られます。その見極めを「審査」と呼ぶのです。

ここでは、融資を受ける上で避けることのできない、「審査」について解説します。

必要となる書類

決算報告書のイメージ

融資のための審査の際には、さまざまな書類の提出が求められます。
細かい部分は金融機関や申し込む融資の内容によって異なるので要確認ですが、一例を挙げると以下の通り。

  • 法人の登記簿謄本
  • 会社案内パンフレットやホームページなどの参考資料
  • 納税証明書
  • 直近数期分の決算報告書
  • 事業計画書

ご覧の通り、かなりの書類を求められますが、これですべてという訳ではありません。
例えば設備投資のための融資ならばその見積書、自社の、不動産を担保にして融資を受けるならその不動産の詳細がわかる資料、といった具合で増えていきます。

また、決算月から相当期間離れたタイミングでの申し込みであれば、直近の試算表も求められるでしょう。
そして、提出する書類が多くなればなるほど確認に時間を要するため、融資実行までの時間もかかります。

審査で見られるポイント

虫眼鏡を使って資料を見るビジネスマン

審査で見られるポイントをまとめると、以下の通りです。

相手がしっかり返済できそうか

まず提出された資料を基に、相手に返済能力があるかを見られます。
すでに民間の消費者金融からの借入があったり、信用情報に滞納や債務整理などの履歴があれば、審査通過は絶望的と言えるでしょう。
金融機関からすれば、同じことをされたら堪ったものじゃないからです。

融資するに値する事業を行っているか

今後の事業展開のための資金、次へのステップアップのための融資を申し込むとなると、当然ながらその将来への展望がどのようなものなのかを見られます。
事業計画書がいかにまとまっていて、説得力のあるものに仕上がっているかが可否を分けるでしょう。
将来的に収益が見込めて、それによって返済も滞りなく回るだろうと判断されるかどうかにかかっています。

融資するに値する人間か

融資審査が書類だけのやりとりで進むことは、まずありえません。金融機関の融資担当との面談がかならず行われます。
たいていの場合、担当が会社に訪問する形になりますが、これは会社の規模感や状況を確認するためです。

そこでは、融資する相手である人間そのものも当然見られます。
融資するに値する人間性を持ち合わせているかどうか、です。

横柄な態度や汚い身なりは完全なマイナス評価となるでしょう。嘘ももちろんだめで、後から発覚すればその時点でアウトです。
融資担当はその道のプロですので、下手にその場だけ取り繕おうとしても高確率で見抜かれます。

個人事業主でも審査に通る?

名刺を差し出す個人事業主

金融機関、特に銀行融資というと法人に限られているイメージを持たれがちですが、実は個人事業主でも申し込みは可能です。

大きい銀行ほど融資額の規模も大きくなる傾向にあるので、マッチしません。
地方銀行や信用金庫などにターゲットを絞れば、個人事業主でも融資を受けることはできるでしょう。
ただし、個人事業主でも以下の条件を満たしていることが最低条件となります。

  • 毎年確定申告をしている
  • 開業届を出している
  • 業績が基本的に良い

これら条件を満たした上で、審査に通れば個人事業主でも融資を受けられるので、必要に応じて検討する価値はあるでしょう。

少しでも通りやすくするには

チェックリストを付けるビジネスマン

融資審査に通りやくするためできること。
一朝一夕でできることには限りがありますが、なにもやらずにいるよりは、今からでも意識するようにした方が良いでしょう。

  1. 各種支払いの期日をかならず守る
  2. 事業計画書の練り直し
  3. 金融機関(担当)との良好な関係を築く
  4. 担保や保証人が用意できるかの確認

支払い期日は信用情報に直結するため、必ず守らなければいけません。すべては信用をベースに事は進みます。
事業計画書の練り直しも有効です。融資においての事業計画書を改善することに特化したコンサルタントなども存在するので、検討してもよいでしょう。

次に、金融機関(担当)との関係性です。審査は機械が行うわけではありません。
書類に目を通すのも面談をするのも人間です。当然担当である人間にも感情があるので、自社に対していいイメージを持ってもらうよう努力することは決して無駄にはなりません。
融資の時だけ連絡をするのではなく、普段からこまめにコンタクトを取って、信頼関係を築きましょう。

最後に、担保や保証人について。審査通過が際どい場合、不動産に担保を付けたり、保証人を用意することで状況が一気に好転することがあります。
経営者自身が保証人になれるケースもあるため、検討しておく価値はあります。
これらを念頭に置き、少しでも融資審査に通りやすくするための準備をしておきましょう。