不動産担保ローンとは

不動産担保ローンとは、その名からもわかるとおり、所有する不動産を担保とすることで利用できる融資のことです。 銀行などの金融機関以外だけでなく、ノンバンクもこの手のローン商品は展開しており、デットファイナンスのなかでも馴染み深い部類に入るでしょう。 ここでは、そんな不動産担保ローンについて知っておきたいポイントをまとめています。
不動産担保ローンの特徴
貸す側にとっては、最悪返済が滞った場合に抑える不動産があるため、リスクなく貸付に踏み切れます。逆に借り手としては、本来自身の信用力だけでは不可能と思われる高額融資も期待できます。 担保としての価値が認められるのは一戸建てやマンション、アパートなどの建物だけでなく、土地も含まれます。 融資を受けるには、これらの不動産を担保に入れることになりますが、例えば借りる相手が銀行ならば、その銀行が該当不動産に対して「抵当権」を設定することを意味します。
ちなみに、すでに他社が抵当権を設定している不動産は、大幅に価値が下落。 その分、融資可能額も下がってしまうことを覚えておきましょう。 1つの不動産に対して、複数の抵当権を設定することは法律上も可能ですが、仮に債務者の怠慢(登記を怠るなど)によって、この事実を債権者が把握できずに二重抵当となった場合、損害賠償請求の対象となる場合もこあります。
不動産担保ローンのメリット

最大のメリットは金利が低いことでしょう。 前述した通り、万が一返済されないようなら不動産を抑えることができるため、貸す側にとってのリスクはかなり薄いです。 少しでも金利を低く抑えて、利用者を増やしたい、という意図もあります。 一般的な無担保のローン金利が最大で年15%ほどまであるのに対し、不動産担保ローンは最大でもその半分の8%程度、商品によっては1%を下回るものもあります。 また、借入限度額を高くできるのも大きなメリットでしょう。 不動産担保ローンにおいては、担保に入れる不動産そのものの価値が重視されます。 仮に借り手の信用力が高くなくても、不動産に価値があれば億を超える融資を受けることも可能です。
不動産担保ローンのデメリット
デメリットは自分次第でもありますが、万が一返済できなくなった場合、担保に入れている不動産を失うことです。 融資している側(銀行など)が、回収不能と判断した時点で抵当権を行使し、不動産を売却します。そして売却してできたお金で残債を回収するのです。 一度決まってしまえば「明日まで待ってくれ」などといったお願いは通用しません。
また、もう一つのデメリットとして、融資実行まで時間がかかる点も挙げておきます。 とは言え、銀行融資やその他公的融資よりは速いです。 あくまで一般的な無担保ローンなどと比べて遅く、1週間程度は最低でもかかる、という具合です。
- 融資額が大きくなる分、審査は慎重になること
- 担保とする不動産の価値の見極め
これらが時間を要する理由でしょう。
審査について

担保に入れる不動産の価値が重視される、と言いましたが、借り手の信用力がまったく見られないわけではありません。 信用情報はもちろんチェックされ、過去に滞納や債務整理などの事故があれば、まず落ちてしまうでしょう。 他の融資やローン同様、会社の現状や将来性などもしっかり見られます。 つまり、一般的な融資審査で可否を、そして担保にする不動産の価値によって融資限度額が決められるというイメージです。
価値ある不動産があるなら有効

不動産担保ローンは、万が一の際に所有する不動産を失うかもしれない、というネガティブ要素があります。 しかし、これは返済さえしっかり行えば絶対に起こりません。 逆に低金利、高額融資可能という魅力があり、同レベルの単純な融資を受けることの難しさを考えれば、利用価値はかなり高いと言えます。 あくまで価値のある不動産を所有していること、が前提にはなりますが、条件に当てはまるなら積極的に利用を検討するべきでしょう。